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ジャンヌ(ベリー女公)のダンナのお話

今日は、カレーにお住まいのベリー女公ジャンヌ(旧名:ジャンヌ・ドゥ・フランス)さんを取り上げましょう。

 この人は、どんな人生を歩まれたのでしょうか。

よ~く 考えよぉ♪
ダンナ(選び)は大事だよ~♪
う~うぅ♪ う~うぅ♪ うなす~♪

幸薄いジャンヌさん

 ジャンヌ・ドゥ・フランスは、名前から分かるとおり、フランスの王女でした。
(「フランスのジャンヌ」。この名を見るだけでも、彼女がフランス王家の中でも、バリバリ由緒正しい一族の当主の家系に生まれたことが分かる。ちなみに代々のフランス国王は「<名前>・ドゥ・フランス。その名を持つ○○番目のフランス王」と名乗るのが常でした。)

父王は、ルイ11世
英国との100年戦争で疲弊した国内の統一、そして養蚕や鉱山開発といった産業の向上に努めた王です。
同時に、国内の貴族や諸侯達の力を削ぐために、弾圧・粛正と戦いを繰り返していた彼は、敵達から「遍在する蜘蛛(l'universelle aragne)」と呼ばれ、忌み嫌われてもいました。
<年代記(Memoire)>によると、「国王(ルイ11世)は、誰からも愛されていなかった」とあるように、絶対的権力を持って君臨した『暴君』でもあったのです。

 ジャンヌは、そのルイ11世の第二王女として生まれました。
そして、政略結婚により当時オルレアン公であったルイと結婚します。

 ルイ11世の死後は、その子シャルル8世(ジャンヌの弟)がフランス王位につきます。
シャルル8世の治世中も、イタリアに侵攻していって、逆に返り討ちに遭ったり(イタリア戦争)、その戦争で本国の財政また悪化させちゃったりといろいろな事がありました。

 その上、この王様。
工事中のアンボワーズ城を見に行って、うっかり頭を梁にぶつけて28歳で事故死…(ー人ー)
なんでも、彼が死んだお城には幽霊が出てきて「頭上に注意!」と人々に警告するそうな…って、アンタだけだよぶつけたのはw

それはともかく、この王様には後継者がいませんでしたから、フランス王位はジャンヌの夫であったオルレアン公ルイへと受け継がれます。
(もちろん、ルイに王位継承権があったというよりもジャンヌの婿だったからといった方が正しいか)

 こうして、オルレアン公あらため、フランス王ルイ12世が誕生したのです。
 さて、王位についたルイ12世が、手始めに行った仕事は王妃であったジャンヌと離婚することでした。

『奥さんのおかげで、王位につけたのにそりゃないんじゃないかなぁ!』と、突っ込みの一つも入れたいところですが、ルイ12世にも言い分はある。

「だってボク、 別にジャンヌが好きで結婚したワケじゃないしさ。
 コワーイ王様が、結婚しろ!っていうから、仕方なく結婚しただけじゃん」

 …いやいや、あんたさぁ。
  政略結婚ってそういうもんでしょ?

「じゃぁさぁ。ボクね、離婚したらブルターニュ女公のアンヌと再婚する!
 そしたら、ブルターニュ地方がフランスの領地になるぞぉ」

 でも、アンヌさんって前の王様(あんたの義理の弟)の…

「うん!未亡人!
 だから、王太后になるのかな。やっぱ、未亡人とか人妻ってあこがれるよね!!」

 …

「だいたいさぁ、ジャンヌって足が悪くて(*2)ひょこひょこ格好悪いんだよ!
 それにくらべて、ボクってハンサムじゃん?」

 ( ̄Д ̄)y-~~~

 さて、『離婚』の方向で周囲は動き始めたわけですが、当時はカトリックの時代。
そして、カトリックでは、離婚は認めていません(*3)。

 では、どうするか。
『結婚をなかったことにする(結婚の無効取り消し)』のです!
教皇が「いいよ」って言えば、無問題!(*4)

 幸い、この二人には子供がいなかった。
俗な言い方で恐縮ですが、「夫婦関係はなかった(ヤッテいない)!」と言い張れば、夫婦関係が存在しないということで、その結婚は無効。

 もう一つの幸運は、当時の教皇がアレクサンデル6世だったことです。
彼としても、息子のチェザレ・ボルジアの勢力拡大のためにも、ここは一つフランスのバックアップが欲しいところ。

 そういうみんなの思惑が重なって、ルイ12世は晴れて離婚。
ブルターニュ女公アンヌと再婚し、ブルターニュ地方をゲットすることが出来ました。ヨカッタネ。

まぁ結局、「ブルターニュは得たけど、慰謝料でベリー地方は失う」し、「世継ぎ残せなくて、フランス王位は分家にとられる」んですけどね…

 で、離婚されたジャンヌ王妃、改めベリー女公ジャンヌはというと。

 「親愛なるジャンヌ。
  汝が神の御許に召される前に、我が名誉のために、新たな修道会を築きなさい。」


 聖母マリア様から、アノンシアード(お告げ)を受けた彼女は、「アノンシアード修道会」を創設します。そして、民に愛された彼女は死後に、列聖されて聖人に

 カレーにお立ち寄りの際には、ちょっと立ち寄って彼女の話でも聞いてみるのはいかがでしょうか。
 
 (今回のお話は「王妃の離婚/著:佐藤賢一」を参考にしています。)
***脚注***

*1:ブルターニュ地方
  アンジェリカさんに言わせると、こんな場所w
 「ナントの上の微妙に邪魔な感じの半島。地中海から北海へ行くとき、ヒホンから北ちょい西へ直進コース♪って、トイレなんかに行って戻ると必ず座礁しちゃってるところね・・・('Д'#)」
 フランスに吸収されてからは、フランス王太子は代々「ブルターニュ公」を名乗ることになる。

*2:「足萎えのジャンヌ」
 当時の上流貴族の習慣では、女の子の姿勢が良くなるように、赤ちゃんの足を布でぐるぐる巻きにしていた。
  これを下手にやると、大きくなったときに足が不自由になってしまう。

*3:というか、「離婚」という概念自体がない。
 ほら言うでしょ? 「死が二人を分かつまで…」って。
 この聖書的理由になるのは、マタイの福音書19の6のキリストの言葉「(夫婦は)もはや二人ではなく一人なのです。こういうわけで神が結び合わせたものを人が引き離してはなりません」、聖パウロのコリント人への手紙 第一の7の10、11の「妻は夫と別れてはなりません。もし別れたのであれば、再婚せずにいるか、和解するかどちらかにしなさい。また夫は妻を離別してはなりません」が原則となり、カノン(教会)法でも『婚姻の本質的特性は、単一性および不解消性である』と規定されています。

*4:結婚の無効取り消し
 離婚できないはずのカトリック教徒の婚姻関係を解消するウルトラ技の一つ。
「実は、これこれの理由によって、この結婚自体が間違っていたんです!」と訴え出れば、結婚そのものが取り消されることもあった。
その理由の中でも頻繁に使われたのが「近親婚による無効取り消し」だったのです。レビ記20の17にもとづいて「4親等の自然なる(=血のつながりによる)近親結婚」であるなら、それは本来結婚が禁じられてるわけですから無効ジャン、となるわけですね。だいたい、王家の結婚なんて狭い社会での結婚ですから、さがせばどっかこっかご先祖様が繋がってるわけです。そういうこともあって離婚の理由としてよく用いられたのでした。

 で、この逆バージョンの裏技。つまり、近親者との結婚を可能にするのが、ローマ教皇庁発行による『特免状』だったのです。お金さえ積めば、ローマ教皇から「この二人は親族じゃない」というお墨付きを得ることが出来たのです。

*5:教会による裁判。
 教会による裁判といえば、「魔女裁判」とか「異端審問」とかが真っ先に浮かぶわけですが、そんなもんは頻繁に起こるはずもなくw

今でいうところの、「町役場」の役目を果たしていたのが教会だったのです。子供が生まれれば洗礼、結婚するときは教会で、死亡すれば葬式を行う。これらが教会の『信徒台帳』に記載され、戸籍の役割を果たしたわけです。

当然、なにか問題があったとき(例えば、「子供を認知するとかしないとか」、「離婚を認めてほしい」とか、「遺産相続問題」など)には、教会が「家庭裁判所」の役割を果たしたわけです。これを『ポテスタース・スピリテュアーリス(教会による霊的裁判権)』といいます。この裁判所の責任者はそれぞれの管区の司教でしたが、その性質上、判事(法務代理)・検事・弁護士にはじまって、聴取官・報告官・陪席官・公証官と裁判に関わる人がみんな坊さんという、なんともハゲハゲしい場であったのは想像するに難しくありませんw

 なお、当事者に『エオス・クイ・スープレームム・テネント・キィウィターティス・マギストラートゥム(国家の大権を有するもの達)』、つまり国王が関係している場合には、ローマ教皇が裁判の責任者である特設裁判所が設けられる事もありました。


2006.7.2 加筆修正
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Comment

2006.01.09 Mon 21:49  |  おおおお・・・

こういう話が、もっとクエなんかにも絡んでくれば
おもしろいだろうになーw

離婚という概念がない!
目からうろこですた(゜Д゜)q

  • #8.1uDoBg
  • りぴ
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2006.01.10 Tue 20:46  |  >りぴさん

いらっしゃいませー

だねぇ。
でも大航海の冒険関係のクエは、結構その時代のエピソードを知ってる人が見ると、ニヤリとできる時があって秀逸だと思います。

攻略サイトで解き方だけ見て、ルーチンワークでこなしてるだけじゃ、この面白さは分かってもらえないような気がしますね。
面倒だけど、ヒントをしっかり読めばそれはそれで面白くなる要素の一つだと思うんだけどなぁ…

「冒険はつまらない」という方には、ぜひおすすめしたいことですw

また遊びましょう!

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