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「日の目を見るか?雑貨取引」 本の歴史のお話(2)

 前回は、ヴェネツィアで出版が盛んだった理由についてお話しました。
 では、今日は「近代出版の父」とよばれたアルド・マヌツィオについてお話ししましょう。

(前回の話は こちらから)
 ヴェネツィアは、有効と認められた物に関しては他国で開発された物でも取り入れ、それを改良し、システムとして構築することに長けていました。
その点日本人と似ているのかもしれませんね。

 さて、ルネサンス3大発明の一つ【活版印刷機】が、ヨハネス・グーテンベルグ(Johannes Gensfleisch zur Laden zum Gutenberg;139?-1468)により、実用化されたのが1440年代の事。

 しかし、現在の出版に多大の影響を及ぼした人として忘れてならないのは、ヴェネツィア アルド出版社の創設者であるアルド・マヌツィオ(アルドゥス・マヌティウス/Aldus Pius Manutius, Romanus;145?-1515)です。
 アルド出版社のマークは、イルカと錨を組み合わせた物でした。これは、出版の速さと正確さを表していたのです。

 そもそも、印刷機が登場するまで、本と言えば筆写本のことでした。
つまり、人が一文字一文字書き写していたのです。当然、時間もかかり量も作ることは出来ません。当然それに併せて、値段も高価な物だったのです。
その後もしばらくの間、この風潮は続きます。

 所蔵家は、自分の所有する本をコレクションとみなすのが常でした。
当時の本は堅表紙のないソフトカバーで作られており、買った人はそれを職人に自分好みの装丁に依頼していました。
 アルドはそれまでと全く異なるコンセプトの本を出します。
まず、ターゲットは大学生
大学生といっても現在の大学生とは違って、ある程度の財産を持っている家の者とはいえ、研究者であるなら一冊でも多くの本が欲しいのは今も昔も変わりません。

 そこで考え出されたのが、小型本でした。
それまでの本は、今で言う電話帳くらいあったのです。
しかし、小型にすることによって安価に抑えることが出来ます。また、それによって本を「持ち運ぶ」ということが可能にもなりました。

 ところが、これがよいことばかりではない。
 本のサイズが小さくなるということは、文字の大きさも小さくなるということ。これまで使用されていたゴシックフォントでは、小さくなったときに見づらくなってしまうのです。

 そこで、編み出されたのがイタリックというフォントでした。
これにより、本の小型化に成功したアルド出版社では、今までの価格のわずか1/8という値段で出版できるようになったのです。
 アリストテレスやホラティウスといった古典「全集」を出したのも、非常に学識豊かだった彼でした。そして、現代で言うところの「出版カタログ」まで出していたのです。

 もう一つ彼が採用したものは、ノンブル【nombre(仏)】と呼ばれる方式です。
ノンブルとは、本のページを表す数字(ページ番号)のことですが、これによりただ開きやすくなっただけでなく、製本作業や編集作業も簡単になったのです。

 1515年、彼が亡くなったときに周りを飾ったのは、色とりどりの花々ではなく、彼の手がけた本でした。

 こうして、私たちは安価で読みやすい本を、現代でも手に入れることが出来るのです。

デジデリウス・エラスムスもアルド出版社から本を出した一人
【写真:エラスムスも『格言集』をアルドから出した。
その数、なんと132版!】
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