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「紙」の文化史 (6)

 気がつけば10月。

ハロウィン


 ガリア・ブリタニア地方の田舎土着宗教のお祭り サムハイン(サウィン)祭が、なぜか日本でもハロウィンとしてブームになっております。これって、ここ数年だよね?

 ちなみにサムハインというのは、死者の世界の王子の名前。同時に「夏の終わり」という意味にもなる。

 ドルイドの暦での1年の始まりは、11月1日に一番近い満月の日。この日は、昼が最も短く夜が最も長くなる日(冬至:当時は太陰暦を使っていたので、現代の暦とは誤差が出ている。日本や中国では11月1日の冬至は特に「朔旦冬至(さくたんとうじ)」という)で、「これから長い冬の季節が始まるぜ。その前にどんちゃん騒ぎをして今年の収穫を神様に感謝しようや」ということで始まったお祭りのようだ。本来はブリテン島やアイルランドの片田舎の祭典だったんだけど、まずローマ社会に入り込み、次にキリスト教に食い込み、移民と共にアメリカに渡って、いつのまにか遠いジパングの地でもメジャー化を果たしていたというなんともたくましいヤツである。さらには、クリスマスのように本来のお祭りよりも、前夜祭(イヴ)のほうがメインになってしまったという本末転倒なオマケ話までついてくるんだからおトクですね!


 『紙の文化史 ~アレクサンドリア図書館編~』最終話をお届けいたします。

 あまりにも久しぶりすぎて、記事の書き方を一生懸命思い出しながら書きました(今見たら、この記事の最初の下書き書いたの8月14日になってますよw)
 そのうえ、2回操作ミスで消えまして…

 ということですが、お楽しみいただければ嬉しく思います。

 プトレマイオス1世の後継者たちも、このアレクサンドリア図書館の発展に大いに尽くした。

 例えば、プトレマイオス2世 フィラデルフォス(シスコン王)は、高名な学者や教育者たちを招聘し、それに伴い非常に貴重な文書が数多く集められた。また、宰相アポロニオスと共にアレクサンドリアを、貿易商業都市として整備を進めたことから、非常に富裕な人々も生まれ、金と暇をもてあました彼らによって演劇や小説といった娯楽色の強い書物も集められたという。

 次のプトレマイオス3世 エウエルゲテス(善行王)は、主に軍事面の成功で際だっていた。彼の指揮の下 プトレマイオス王朝は最大版図まで領域を広げることになる。そうした政治背景もあって、この時代のアレクサンドリア図書館の書物ハントも、ちょっと強引な手法が多い。
例えば、ファロス灯台で有名なアレクサンドリア貿易港に他国から船が入港すると、必ずエジプト軍の兵士が乗り込んで船内をくまなく探索する。発見された書物は、書記によってコピーが作られ持ち主にはコピーが返却、原本は図書館に納められたらしい。
ほかにも、プトレマイオス3世はあちこちの都市に使者を送り、保証金を預けて貴重な書物を貸し出させることに成功する。で、どうしたかというと、これもまたちょっとずっこいのだが 作ったコピーを返却し、ばれたら保証金を払うという、まぁ経済&軍事大国じゃないと出来ない力業をしちゃったわけだ。そんなかいもあって、アレクサンドリア図書館は蔵書も規模も伸長していった。最盛期には70万巻を越える巻物が収められていたと考えられている。

 プトレマイオス3世の、"カミ"にまつわる逸話を一つご紹介しよう。

 アレクサンドロス大王が客死した後、プトレマイオス1世をはじめとする麾下の将軍たちがそれぞれ分離独立していったわけだが、エジプト・プトレマイオスの隣国となったのは、シリア・セレウコス朝だった。エジプト・プトレマイオス朝の保護を受けた初代セレウコス1世が死ぬと、キリキア地方(現在のトルコ南部)の支配権を巡って、シリアとエジプトは6度にわたるシリア戦争を戦うことになった。

 アンティオコス2世とプトレマイオス2世の時代に、共倒れになることを恐れた両者は政略結婚によって融和を図ろうとした。具体的には、既にラォディケという名の奥さんと結婚していたアンティオコス2世が離婚し、プトレマイオス2世の娘であるベレニケと結婚させるという計画だった。現代の感覚で考えると何とも残酷なようだが、政略結婚なんてそんなもの。どこぞのイングランドの王様のように、不義密通の濡れ衣をかけて殺さないだけマシである。時の王妃ラォディケは怒りと涙をのんで、息子共々シリア王宮を去ることになる。

 ところが、このラォディケという人がまた激しいというか恐ろしい女性だった。
西暦前246年 ベレニケの父親 エジプトのプトレマイオス2世が死ぬと、シリア王宮内では対エジプト強硬派が勢力を拡大していった。結局、この宮廷闘争を制し復権を果たしたのが先の王妃ラォディケだったのである。ラォディケの恐ろしい報復劇が始まった。まず、自分を王妃の座から引きずり下ろしたベレニケとその子供たちを暗殺させる。自分の子 セレウコス2世を後継者として認めさせたあとは、裏切った夫 アンティオコス2世も毒殺したのである。

 この報は、ベレニケの実家であるエジプトにもすぐに伝えられた。自分の兄弟を殺された時のプトレマイオス3世は激怒し、シリア-エジプトの外交関係は急速に悪化する。政略結婚の破棄を受け、『ベレニケと子供たちの報復戦』を旗印にエジプトはシリアに侵攻。西暦前246-241年 第3次シリア戦争の勃発である。

 さて、プトレマイオス3世の后だったベレニケは、「王がシリアに勝利し無事帰国できた暁には、私の髪の毛を捧げます」と、女神アフロディテに誓いを立てた。愛と美の女神(売春婦の神も兼務)に戦争の勝利を願ったところで御利益があるのかどうかははなはだ疑問だし、女神が髪の毛がほしかったのかは分からんけれども、とにかくもエジプト軍は大勝利をおさめプトレマイオス3世もアレクサンドリアに無事帰還したのだった。后ベレニケも、誓い通りに自分の長い髪の毛を切り神殿に奉納する。旦那も感激してめでたしめでたし。

 ところが、次の日に再びアフロディテ神殿に赴くと、神官たちが右往左往している。王夫妻が来たことに気づくと「こりゃまずい」とばかりに目を合わせようともしない。いったいどうしたのかと尋ねてみると、なんと昨日奉納した髪の毛が朝起きるとキレイさっぱり無くなっていたというじゃないか。王と王妃は大激怒。
「賊だ! 賊に盗まれたに違いない!!」 
「こ、これは神官たちの怠慢のせいです!」
「死刑だ! 神官たちを皆死刑にしてしまえっ!」
蒼ざめる神官たち。

 ところが、宮廷学者の爺さんが、とりなしてこう言った。
曰く、王妃さんの髪の毛は天の星になったにちがいないと。
「王、王妃よ。あのネメアの獅子(獅子座)をご覧下さい。
あの傍らにあります明るき星こそが、王妃様が捧げられた髪なのです。
アフロディテ女神は、王妃の殊勝な行いを喜ばれ、その美しき髪を永遠のものとするために御傍に上げられたのです」

 カミはカミでも、"髪"のおはなしでした。

(10/8加筆:マリィナ=ファリエル先生が、DOLの夜空で「かみのけ座」を探してくださいました。「カミの話…春の星空から(MDSS7)」


 さて、プトレマイオス王朝の後ろ盾のもとに栄華を誇ったアレクサンドリア図書館も気がつけば消失(現在の『新アレクサンドリア図書館 "ビブリオカ・アレクサンドリーナ"』は、かつての図書館の跡地と考えられている場所に再建された)。
 実は、この消失自体もいったいいつ起きたのかはっきりとしたことは分かっていない。一説には、西暦前47年のナイルの戦い(カエサル率いるローマとプトレマイオス王朝の戦い)による戦火で焼けたとも言われている。しかし、それから300年近くたった西暦3世紀の作家 ナウクリティスのアテナイオスが、この図書館の立派さについて言及しているところからすると、ナイルの戦いにおいて消失したのはごく一部であったのではなかろうか。そうなると、西暦641年にアラブ人によってこの都市が陥落するまでの間に生じた争乱や暴動・略奪によって、徐々に衰退したと考えるのが妥当だとおもう。アレクサンドリアは、エジプト人・ギリシャ人・ユダヤ人・アラブ人・エジプト人・ローマ人など多民族が暮らしていた都市。さらには1世紀後半からは、"新興宗教"キリスト教の中心的根拠地ともなっていた。他民族問題や宗教論争が、政治の混乱と共に争乱や暴動を引き起こすのは、現代の例を見ても容易に理解しやすい事実である。

 さて、西暦1、2世紀頃から『ペルガメーナ・カルタ』と呼ばれる筆記用紙が主流となっていた。じゃ、次回はそんな話をいささかしたいと思う。
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Comment

2008.10.07 Tue 22:21  |  かみはながいともだち

 こんばんは。マリィナ=ファリエルです。
 よんでいくうちに「あれぇ…何だか聞いたことあるお話だなぁ…」とおもったらやっぱりかみのけ座でしたw

 今夜のエントリでさっそくかみのけ座にスポットを当てたスクリーンショットをエントリしましたので、DOLの夜空で補完しておきますねー。

  • #hn7S5JsQ
  • マリィナ=ファリエル
  • URL
  • Edit

2008.10.08 Wed 20:49  |  マリィナ先生>

カミだけにって…
だって、ほかにオチが思いつかなかったから!!

早速、夜空の記事拝見しました。記事の中にリンクしときますね

  • #aeXHjovo
  • Lucrezia Rosso(管理人)
  • URL
  • Edit

2008.10.17 Fri 22:49  |  

いやぁ…書きかけの記事が消えるのって怖いよね。
自分もフォティダス編の続きを書く時には気をつけないと。
次に書く時、まったく同じ話は書けないと思うので…orz

  • #-
  • エステバン
  • URL

2008.10.25 Sat 09:10  |  

エステさん>
まったくだ!まったくだ!!
ホンキでへこむから勘弁願いたいねw
最近私は、手書きで資料の概略かいてます

なにはともあれ、PC復活おめでとう
新作も待ち遠しいですよ!

  • #-
  • Lucrezia Rosso(管理人)
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