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「紙」の文化史 (3)

Chapter4


「Chapter4はインカだけど、どうでもインカ?」


 タイトルネームですが、ストレートに「インカ」もいいんですけど、個人的には"Isla del Sol (太陽の島)"とか格好良かったんじゃないかなと思いました、いやどうでもいいんですけどね。ちなみに、イスラ・デル・ソルというのは"Isla de la luna(月の島)"とともに、インカの宗教聖地であるチチカカ湖にあってインカ帝国発祥の地と考えられていた聖地のことです。

 ちなみにインカ帝国はエスパニアの侵略によって征服されてしまうわけですが、もともとこの帝国自体が、周辺の都市国家に対して超拡大路線をとっていた侵攻国家であることを考えると、諸行無常 盛者必衰とかおもっちまいますな。

 インカの生活や宗教で重要な位置を占めていたのは、ミイラでした。
最初は海岸地方の都市で偶然出来ていたものが、帝国が拡大していくに従って征服を進めるための重要な道具になっていくのです。歴代の皇帝は死後ミイラにされて、生前と同じように家臣たちに傅かれたり行幸を行ったりしました。家庭には、先祖のミイラが祀られていたようです。

 死と生が混在した帝国、それがインカ帝国でした。


 続きは所変わって 古代オリエント地方。粘土板と楔形文字のお話です。
【209 世界史・文化史 】

「紙」の文化史

- 「紙」誕生以前の筆記方法 -


 先だってから、粘土板(Clay tablet)という言葉が出てくるが、これは読んで字のごとく粘土で作られた書字板のこと。西アジアから地中海までの地域において広く使われた筆記用具であるが、ことにオリエント地方・メソポタミアで使われたモノが有名である。

 粘土板というだけあって材料は粘土であるが、メソポタミア地方の土壌は、ご存知のように氷河期の終わりに河川の流れによって土砂が堆積した沖積層である。きめが細かく混ざり物のない、良質の粘土がそこかしこにあり、材料には事欠かなかったわけだ。採集された粘土をこねて、手のひら大程度のサイズに整えると粘土板の出来上がりである。まだ湿っている粘土板にペン(尖筆)で文字を刻み込み、天日で乾かすかオーブンで焼成して保管用の処理がなされた。

 皮肉なことだが、この地方で度々起こる戦争が、これらの粘土板が後世にまで伝わるために重要な役割を果たしたとも考えられている。戦争に負けた後、敗北した都市は火をかけられて焼かれるのが常。この際、パピルス紙・紙や木簡だと当然燃え尽きてしまったり、崩壊した建物と一緒に朽ちたりするものだが、粘土板の場合は逆に焼き固められて保存されていたのである。こうした背景に加えて、メソポタミア地方の人々が生活の事細かな点まで書き残す"筆まめ"だったこともあり、古代文明にしては生活の様子とかが結構分かっているというのも面白い話っちゃぁ話ですよね。

 なお、アッカド語では『レウム』という書字版もあったが、これは木の板や象牙などの上に蝋を引いただけの簡易書字板であったようである。まぁ、現代で言えばホワイトボードや黒板みたいな感じで使われていたんじゃないですかね。

 オリエント地方では、粘土板の材料となる粘土は(そこらへんに)豊富にあったが、石版の材料となる石材というのは産していなかった。そのため、大理石やアラバスター(雪花石膏)、黒曜石などは遠くインドの地など"海外"からの輸入に頼っていたのである。そうしたこともあって、高級品でもあった石版は、戦勝記念や王の業績を誇る特別の碑文などに用いられていたようだ。実際、粘土に刻み込むのと、石に彫り込むのでは特殊技術や特別な工具も必要になるわけだが、そういった技術は当時の「はんこ」である円筒印章の彫師たちが有していたということを考えると、石碑の数が少ないのは単に材料の手に入れやすさという問題であるような気がする。



 彼の王国の主な町は、バベル、ウルク、アッカドであり、それらはすべてシンアルの地にあった。
【創世記 / 10章 10節】


 書字板として粘土板が用いられたわけだが、文書を書くためにはもう一つ重要な物がある。それは、「文字」の存在だ。最初の文字は、ユーフラテス川西岸にあるシュメルのウルク(ワルカ、またはエレク)という町で生まれたと考えられている。西暦前3200年頃の絵文字 『ウルク古拙文字』である。

 西暦前2500年頃になると、書きやすいように簡略化されたり、読みやすいように表音文字も加えられたりと体系化されていく。特に、書き始めが三角形になることから、この文字は『楔形(くさびがた)文字』と後代に呼ばれることになる。『楔』というのは、V字型をしていて、物を固定したり割ったりする際に使われる道具のことだ。
で、この『楔形文字』だが、もともとは粘土板に刻み込むために生まれた文字だけあって、紙にインクのペンで書いていくのには不向きな文字である。それは、粘土板に曲線の多い日本語のひらがなや漢字を書き込むのが難しいのと一緒だ。文字一つ取ってみても、それぞれの文化的背景に大きく左右されるという良い例だろう。

 こうしてシュメルで生まれた『楔形文字』は、アッカド語、ウガリト語、ウラルトゥ語、エブラ語、エラム語、古代ペルシア語、ヒッタイト語、フリ語など、古代オリエント地方全域で使われていくことになる。これは、現在の西欧諸国が自国の言語を書き記すのに、ラテン文字を使っているようなものだ。


 次回は、もう少し時代を下って 古代エジプトで使われていたパピルスについて調べてみることにしよう。

(続く)



表意文字:
ことばを意味の面からとらえて、一字一字を一定の意味にそれぞれ対応させた文字。絵文字・象形文字・漢字など。意字。

表音文字:
文字の中で、一字一字が特定の意味を表すことがなく、もっぱら一つ一つの音声に対応して、その発音を表すもの。ローマ字・アラビア文字・仮名など。音字。音標文字。写音文字。
[三省堂「大辞林 第二版」より]



<今回の記事で参考・引用した書籍>

・小林登志子著 「シュメル-人類最古の文明」(中公新書)

・聖書 新共同訳
 (c)共同訳聖書実行委員会 [Executive Committee of The Common Bible Translation]  
 (c)日本聖書協会 [Japan Bible Society , Tokyo 1987,1988]
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Comment

2008.06.26 Thu 01:53  |  筆まめ

メソポタミア地方の人に負けずに、毎日更新して下さいw

  • #dWiw2.gM
  • ロビ
  • URL
  • Edit

2008.06.26 Thu 18:53  |  

ロビさん>
無理!
毎日更新とか無理だからっ!!
毎週更新を心がけます…ぇ?

  • #-
  • Lucrezia Rosso(管理人)
  • URL

2008.06.28 Sat 21:47  |  

こんな崇高な内容なのに今日も飲みすぎてふらふfらな自分が情けないです^^^^^^^^

  • #-
  • エステバン
  • URL

2008.06.29 Sun 20:56  |  

エステ君>
なんだ 飲んでるのか!
楽しいお酒は良いお酒だねぇ

エステ君の所も、早く続きよみたいぞw

  • #aeXHjovo
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