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やっぱり借金は返した方がいいと思う…

 こぼれ話を一つ

 イギリス王室といえば、その資産たるやウン兆円と言われている、世界でも有数の金持ち一家である。さて、そのイギリス王室が滞納していた借金 453ポンド3シリング(現在のお金で10万円)を、つい先日チャールズ王太子が支払ったとのこと。それが、なんと350年前の借金だそうだ!

 ところで、このチャールズ王太子が払った借金、いったい誰の借金かというと…1651年にチャールズ2世という王様の作った借金なのである。

 スペイン艦隊に打ち勝ち、北の弱小国家だったイングランドを大国の地位にまで押し上げたエリザベス女王は1603年に崩御。イギリスの大きな転換点となったエリザベス女王の治世だが、晩年はスペインから交易権利などを奪うことに成功したものの、それを維持し続けるための海軍艦隊の維持費や戦費の増大によって国内経済は悪化。また、国内ではローマ・カトリック派、英国国教会派、プロテスタント(清教徒)派による宗教紛争、更にそれに乗っかった貴族たちの争いなどグダグダ状態。そんな困った状態のアイルランド、イングランド、スコットランドの王位を引き継ぐことになったのが、今日のお話に出てきたチャールズ2世の爺さまにあたるジェームズ1世(スコットランド王ジェームズ6世)である。

 さて、エリザベス女王からいろんな課題も一緒に引き継がされてしまったジェームズ1世は、大きく方針転換を行う。たとえば、長年の敵対関係にあったスペインとの関係を改善。かと思えば、トルコ・オスマン帝国に対して「おまえら異教徒なんかとは手を組まねぇ!」といきなり言い出して、商人たちの大反感を食らう。ほかにも、議会に断り無く関税権を売っちゃったりとか、火に油を注ぎまくってしまうのである。やることなすことうまくいかず、いろんな階級の人々から反感を買いまくってしまった可哀想なジェームズ1世。寂しくなった彼は、「こうなったら、みんなにご褒美あげて人気取ろうぜ!」とか考えてしまったのだ…。でも、そんな金は王家にあるはずもなくやっぱり借金が増えてしまった…コマッタモンダねえ。さらにさらに、デンマークから嫁いできたアン王妃(アン・オブ・デンマーク)が、贅沢好きだったりしたこともあって、王宮費用の増えること増えること。なにしろ王妃のあだ名が「脳味噌なし」。王室の借金は急速に膨れあがり、それを補填するための国家財政も悪化の一歩をたどっていく。


 次に王位に就いたのはその息子チャールズ1世だったのだが、彼はこの状態に対処するためには「王様が権力をしっかり握るしかない!」と考えた。いわゆる『絶対王制』を導入しようとしたのだ。こうして「専横(独裁)の11年間」が幕を開ける。

 まず、国内で国王に従わない貴族連中は、国王大権裁判所「コート・オブ・スターチェンバー(星室裁判庁)」で問答無用に黙らせた。この裁判所は、国王直属の組織であり、陪審員なしで有罪宣告が可能など、国王に逆らう者たちに対する弾圧組織だったのである。

 宗教面での混乱は、英国国教会で統一し、それ以外は弾圧し黙らせる。
そして、この槍先に上がったのがスコットランド問題だった。現在のいわゆるイギリスを構成する、イングランドもアイルランドもスコットランドも、もともとは別個の国(現在でもそれぞれは独立国家である)。とくにスコットランドは、長年の因縁からイングランドと仲が悪かった。前王であるジェームズ1世が両方の王冠をかぶる(国は異なっても君主は一緒)という方法で統治していたものの、簡単に融和が成るわけでもない。そこにもってきて、チャールズ1世がスコットランドに「英国国教会 祈祷書」を押しつけようとしたことから、スコットランド側が猛反発。この反乱は「主教戦争(Bishops' Wars)」と呼ばれる。そして国王軍は多額の戦費を支出したものの敗北、さらに賠償金まで背負わされることになってしまうのだ。

 賠償金や戦費をまかなうために、国王は1640年に議会(短期議会)を招集する。
ところが、議会を構成する貴族たちのほとんどは、それまでの弾圧などから国王憎しで一致団結しており、国王からの賠償金支出の案件はけんもほろろに否決されてしまう。逆に、この機会に国王とその側近たちの力を削いでしまおうと反撃を食らわせる始末。11月から開かれた議会(長期議会)においても、国王派に吹く逆風は変わら無いことに業を煮やしたチャールズ1世が、反対者たちの主立った者5人を逮捕しようとしたことによって、1642年 イングランド国内は国王軍と議会軍が対立する内戦(ピューリタン革命)に突入していくことになる。

 かたや装備も兵士の質も高い国王軍。一方、議会軍はといえば民兵に毛が生えたような集団で、その戦闘指揮能力もあまり高くない。当然、最初のうちは国王軍が有利に戦いを進めていった。ところが、ここで議会軍の騎兵隊隊長 オリバー・クロムウェルが登場するのである。

 オリバー・クロムウェルは、彼の率いる「鉄騎隊」という精鋭部隊を使って、国王軍に対する戦闘を有利に進めていく。その戦果で議会派内部での地位も高くなっていったクロムウェルは、議会軍の軍政改革に着手、後に「新式軍(ニューモデル軍)」と呼ばれるイングランド軍の基礎を据えることに成功するのだ。

 強力な軍隊を得た議会軍に国王軍は敗北を続け、ついに1645年6月 ネイズビーの戦いにおいて壊滅的被害を被ってしまう。その後も国王軍は散発的に戦闘を続けるも劣勢を覆すには至らず、国王チャールズ1世は1649年1月30日に処刑されてしまうのだ。


 国王軍に勝利した議会派は、オリバー・クロムウェルを中心とした共和制イングランドを誕生させる。ところが、スコットランドは「これは議会による革命じゃないか!」と猛反発し、チャールズ1世の息子で、フランスに亡命していたチャールズ2世をスコットランド王にすると宣言するのだ。そう、コイツが350年前に借金を踏み倒した王様です!

 1651年にスコットランド・スクーンで戴冠式を行い、スコットランド王・チャールズ2世となった彼を討伐するため、クロムウェルはスコットランドに侵攻を開始。で、それに対抗するためにチャールズ2世が軍隊を組織したわけだが、どうもこのときの軍服の代金というのが今回の借金らしい。でも、せっかく仕立てた新しい軍服の国王軍は、クロムウェル軍に『ウースターの戦い』で けちょんけちょんに負けちゃって国王自ら再び大陸に脱出しなきゃならなくなっちゃうんだよねぇ。あ、これで代金払えなかったのか!

 さて、このあとどうなったのかというと…
大陸から虎視眈々と復帰の機会を狙っていたチャールズ2世。でも、護国卿 オリバー・クロムウェルの政治力の強さもあって、何度かかけてみたちょっかいも不発に終わる。結局、クロムウェルがマラリアで死んじゃった1660年まで、イングランドに帰国することはかなわなかったのだ。

 じゃぁ、その間チャールズ2世は何をやっていたのかというと、ズバリ「子作り」!
「王家の存続」云々のためというよりは、ただ彼が好色だったにすぎないというのがもっぱらの説なのだが、愛人をいっぱい作ったチャールズ2世。この愛人のひとり、フランセス・ステュアートの肖像は硬化などにも使われ、「女神 ブリタニア」のモデルになるわけです。

さて愛人がいっぱいいるということは、当然子供も出来るということで。認知されている非嫡出子だけでも14人とか、野球チームどころかサッカーチーム、いやいやラグビーチームまで出来てしまう始末。で、「このままじゃいかん」とチャールズ2世の王宮に仕えていた侍医 コンドン先生が、牛の腸を使って避妊具を作りましたとさ。これが訛って『コンドーム』。まぁ、そんな王様ですわ…



 さて、話は現代に戻ってりますが、実は現在のイギリス王家は『ウィンザー朝』で、借金を踏み倒したチャールズ2世の『ステュアート朝』とは別の家だったりします。
でも、チャールズ2世の血筋は、その後の宮廷結婚などによって、現在のチャールズ王太子の前の奥さんである、故ダイアナ王太子妃の実家『スペンサー家』に繋がってるわけですね。
さらにいえば、今の奥さんであるカミラ夫人も、さかのぼっていくとチャールズ2世に繋がっていたり…

 ところで、今回チャールズ王太子が払った借金の額ですが、当時の貨幣価値や利子を加算すると1000万円くらいになるそうです。でも、会社側はこれで「完済」されたということにしたんだそうな。

 そういえば、DOLのイングイベントでもプレイヤーに借金を立て替えさせる人がいますよね。あれですか、借金を立て替えさせるのは英国のお家芸かなんかなんでしょうかw
ゴードンの借金を立て替えて上げたプレイヤーの皆さんも、そのうち忘れた頃に返してくれるかもしれませんよ。もっとも、「350年後」になるかもしれませんがw



 あれ、今回の記事はあんましDOL関係なかったかもw
(時間がまとまって取れそうなので、「紙の文化史」記事は近々再開できそうです!)
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Comment

2008.06.13 Fri 09:05  |  管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

  • #

2008.06.13 Fri 15:02  |  

はじめまして、Z鯖で遊んでいます。スピアと申します。
世界史には疎い私ですが、とっても面白かったです。やっぱり歴史は調べてみると、面白いものが出てくるんですね~。参考になります。

更新がんばってください!!

  • #-
  • スピア
  • URL

2008.06.13 Fri 18:06  |  

スピアさん>
そういってもらえると嬉しいですよ♪
「歴史」というと、すごく難しいようにきこえますが、ようは人の生き方の積み重ねにすぎないんですよね。ボクは、どちらかというと、そんな歴史のすみっこをほじくり返すのが大好きなんですw
ぜひ、また遊びに来てやっていただけると嬉しく思います。


そういえば、パテシィエクエ達成されたそうで、おめでとうございますー
でも、あの可愛かったカルロータも、数十年たつとこんな風になっちゃうんですよっ!!

http://blog26.fc2.com/p/popoloerrante/file/20060727054549.jpg
(↑数十年後の"熟女"カルロータ)

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