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「史上最大の作戦!」 (前編)

 ゲームの中で、ピラルク釣りの名所として知られている場所がある。
「アマゾン川上流・上陸地点」のことである。

 大西洋・アマゾン川の河口からさかのぼること1500km以上。
この場所が、アマゾン川水域の中でも大きな川である、ソリモンエス川とネグロ川の合流地点なのだ。この二つの川の水量は非常に多いため、そこからさらに10km下流に行ってはじめて、両川の水が完全に混じるという。

 この合流地点からほどない地点、アマゾンの熱帯雨林に突如として現れる都市。それが現在ブラジル・アマゾナス州の州都となっているマナウスである。今回お話しする「史上最大の作戦」の舞台となるのは、この街なのだ。

 ここで、マナウス誕生の歴史を簡単に追ってみることにしよう。

 1669年、ポルトガル人 フランシスコ・ファルカンが、サン・ジョゼ要塞をこの地に築く。ポルトガルは、ブラジルの名の由来となった染料ブラジルボク、さらに砂糖交易の重要な拠点としてブラジル植民地の支配を推し進めていったのである。

 その後、「マナウス」(名前の由来は、『マナオス族』というインディオから)と改名されたこの街は、ある天然資源のおかげで著しい成長を遂げた。

 それは、『パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)』、つまりは『天然ゴム』である。
 英語で『ゴム』という単語は"gum"。見ての通り、「ガム」も「ゴム」も、同じ言葉なのである。
(この記事では、『ゴム』という言葉に統一して使わせていただきたい。)

 中世までに、ヨーロッパで知られていたゴムの中に、『アラビアガム(ゴム)』というものがある。ネムノキの一種である、『アラビアゴムノキ』の樹液を加工したものだ。で、この「アラビアゴム」の使い方だが、今でも接着剤や医薬品の原料に使われている。絵画用絵の具の定着材としても使われた。さらに身近なところでは、アイスコーヒーに入れる「ガムシロップ」の「ガム」という言葉、これは原料の「アラビアガム」からとられている。

 ちなみに この「アラビアゴム」だが、結構昔から知られていたらしく、聖書の中にもユダヤ人のご先祖であるイスラエル(ヤコブ)という人が、「エジプトのファラオへの土産物として、アーモンドやバルサムオイルと一緒にゴムももってけ」と息子たちに言ったという記述もあるらしい。

 まぁ、使用例からもわかるように、この当時のゴムは「接着剤」とか「凝固剤」としての役割が強かったのだ。



 さて、ブラジルに植民地がひらかれ、ポルトガルから人々が移り住んできた。
彼らは、先住民のインディオが、丸くて重いボールで遊んでいるのを目にする。先住民の話を聞くと、このボールは「木の幹に傷を付けて、にじみ出してきた乳液(ラテックス)を固めたもの」だということらしい。で、この物質というのは、ヨーロッパ人が「ゴム」としてなじみ深かった先ほど述べたものによく似ていた。
さらに、アラビアゴムよりも、弾力に富み、防水面でも優れていたのである。これを、うまいこと使えないだろうか。

 まず、彼らが考えた利用法。それは、防水ブーツの制作だった。
ラテックスは液体なわけだから、これにつけ込めばどんなものでも防水加工を施せる。そう考えて、ブーツをつけ込んでみると、なるほど水をはじくじゃないか。こうして、うまれたのが防水ブーツだったのである。
特に、狩りを行う王族や貴族たちにとっては、このブーツは非常に重宝するものになった。たとえば、狩りを愛したポルトガルの国王 ジョゼ1世は、自分用のブーツをブラジルに送って、防水加工させたという。さらには、イングランドやヨーロッパのいろいろな国々にブラジル製防水ブーツが輸出されていったのだ。

 ところが、ブラジルのゴム産業が発展する引き金になったのは、やはり1888年のある発明であろう。スコットランド人 ジョン・B・ダンロップによる、「空気入りタイヤ」の発明だった。

 1839年、チャールズ・グッドイヤーによって、生ゴムに硫黄を加えると、その弾力や強度が飛躍的にアップすることが発見された。この製法を「加硫工程」という。

 それまで馬車や自動車の車輪は、木でできた車輪そのものだったり、その上にゴム板を張り付けただけの簡単なものだった。道路の凸凹があれば、その衝撃は客室にそのまま伝わり、なんとも乗り心地が悪かった。ダンロップは、「加硫工程」によって強度のアップしたゴムを使えば、中に空気を入れてそれをクッションにする、新しいタイプの車輪を作れるのではないかと考えたのである。試行錯誤の末、彼は自転車用の空気入りタイヤの実用化に成功するのだった。その後、フランス人 ミシュラン兄弟によって、自動車用のタイヤが研究され現代に至っている。
(グッドイヤー、ダンロップ、ミシュラン。それぞれの名前は、現在でも大手タイヤメーカーの社名に残っている。)
 さて、『空気入りタイヤ』がブームになると、その原料である、「パラゴムノキ」からとれるゴムの需要も飛躍的に増大した。ところが、このゴムノキが生育していたのはブラジルだけ。つまり、ブラジルのゴム農園には莫大な富が世界中から流れ込むことになったのである。

 最盛期には20万人のブラジル人たちが、ゴム採取作業員-セリンゲイロス-として働いていたという。ブラジルのゴム採取基地でもあったマナウスは、未曾有の好景気を迎えた。ゴムの農場主は、ヨーロッパから輸入された家具や衣服に囲まれて、王侯貴族のような生活を送り、街には当時の最新技術 電話、電気、路面電車などのインフラが投入されたのである。

 当時の好景気を示すものに、1896年に完成した「テアトロ・アマゾネス (アマゾン劇場)」というオペラハウスがある。15年の歳月と、10億円以上の巨額の建造費を投入して作られた劇場だ。フランスやイタリアから直輸入したクリスタルガラスやシャンデリアを惜しげもなく投入、石タイルはドイツから職人ごと連れてくる始末。さらに、玄関前の石畳には、敷石の下にご当地名産のゴムを敷きつめ、馬車の車輪の音が劇場の中に入ってこないようにという気の配りようだった。こけら落としの際には、ヨーロッパから高名な歌劇団を呼び寄せたが、それはマナウスの類を見ない繁栄のおかげだったのである。

 ところが、マナウスが未曾有の好景気を経験している中にあって、その裏ではブラジルをゴム輸出ナンバーワンの地位から蹴落とすための、ある「史上最大の作戦」が行われていたのである。いったい、この作戦とはどのようなものだったのか。次回、この「史上最大の作戦」の全貌が明らかになる! 乞うご期待!!

(後編に続く!)
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Comment

2007.09.25 Tue 17:57  |  

テアトロ・アマゾネス!!

オペラ歌手なら一度は舞台で歌いたいというほどらしいですねえ。よう知らんけど。
ええ、ギャラリーフェイクででてこなければ、都市名はもとより劇場があることさえ知らなかったですよ。
知識の90%が漫画から得ている私。

  • #mQop/nM.
  • 鉄刀木@会社
  • URL
  • Edit

2007.09.27 Thu 14:53  |  

鉄刀木さん>
あー、そういえばあったねえ。
ジョコンダの孫娘が出てくるヤツだったっけ??

まぁ。後ほど書こうかなと思ってるんですが、実はテアトロ・アマゾネスはそのあとずっとゴムの倉庫やら、フットサルの練習場になっていたんです。修理が始まったのは1974年になってからのこと。5年がかりの修復で厄介だったのは、シロアリ駆除だったそうですよ。

  • #-
  • Lucrezia Rosso(管理人)
  • URL

2007.09.27 Thu 15:00  |  

テスト

  • #aeXHjovo
  • Lucrezia Rosso(管理人)
  • URL
  • Edit

2007.09.27 Thu 15:03  |  

テスト

  • #aeXHjovo
  • Lucrezia Rosso(管理人)
  • URL
  • Edit

2007.09.28 Fri 01:14  |  

続きが気になります…^-^
でも自分の事棚に上げて催促できねえええええええええええええ

  • #-
  • エステバン
  • URL

2007.09.29 Sat 09:27  |  

エステさん>
が、がんばって眠い目こすりながら書きました!

  • #-
  • Lucrezia Rosso(管理人)
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