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『ラパ・ニュイ島に行ってみよう!』 (3)

 太平洋を股にかけて暮らしていた古代ポリネシア人たち。
しかし、彼らの「活躍」は、あまり知られていない。よしんば、"伝承"の域を出ないのだ。それはなぜだろうか。

 そのもっとも大きな理由というのは、きちんとした記録が残っていないためといわれている。ポリネシアには、土着の言語というモノがなかったために、現代まで伝わる記録がないのだ。

 なお、イースター島(ラパ・ニュイ島)には、『ロンゴロンゴ絵文字』と呼ばれる文字があったが、残念なことに多くの石版が破壊されたため、現状では解読は不可能とされている。 ヨーロッパから来た人々にとって、自分たちの文字 -アルファベット- 以外の文字は「悪魔の文字」に見えるらしく、世界各地でこういった「所行」を繰り返しているのだ。

 その根底にあるのは、白人至上主義、つまり「白人こそが、もっとも文明的、偉大で優れているとする人種」であるという考え方であり、これに乗っ取りヨーロッパ各国は植民地支配を正当化していくのだった。

 今でもその手の話があるのかというと…気分的にイヤな話になるが、筆者も数年間ヨーロッパの某国に住んでいたことがあった際に、そういう経験は何度かある。まぁ、私に言わせれば「キミらの敬愛する(敬愛しているであろうと自称している)キリストだって、非白人(ユダヤ人)だし、キミらキリストにも唾を吐きかけるのかい?」とか言いたくなるわけだな、うん。まぁ、どこの世界・国にも馬鹿はいるさね。

 話がずれちゃったんだけど、元英国の首相だったウィンストン・チャーチルが「文明国とはなにか」ってことについて、ちょっと面白いことを言っているので、抜粋して紹介することにしよう。チャーチル先生は、日露戦争が終わったあとの日本について言及して、次のような事を書いている。

「かつて日本人が、芸術作品や文化をヨーロッパに紹介したにも関わらず、人々は彼らを『文明国』とは見なかった。それなのに、日本人が優秀な兵器と強力な軍隊を持ち、帝政ロシアを打ち破った時に、初めて日本は『文明国』として認められることになった。日本人はそのことに自ら驚いたのである」。

 結局、今の社会では「力のあるモノこそが正義」なんだろうかね。
前置きが長くなったんですが、今日のおはなしはそんな時代だって事を、頭の片隅にでも置いて読んでくれると助かります。 
 「ポリネシア人=南米からの移住者説」を唱えたのは、ノルウェー人 トール・ヘイエルダール(Thor Heyerdahl)だった。この人の肩書きは、海洋学者、考古学者、歴史学者、人類学者などいろいろあるのだが、もっともしっくりくるのは『探検家』だと思う。ノルウェーという国は、彼の他にも、アムンゼンにナンセンといった著名な『探検家』を幾人も産んでいる国だ。やはり、ヴァイキングの流れをくむお国柄のせいなのだろうか。

 ヘイエルダールは、南アメリカ・先住民族の船乗りたちが海流や貿易風に乗ってポリネシアの地にやって来たのが、ポリネシア文化の始まりじゃないかと考えた。そして、イースター島(ラパ・ニュイ島)のモアイは、インカのような巨石文化の影響によって造られたんじゃないかと考えたのである。

 ところが、ここで反論が起こった。
「南アメリカ・先住民族の造船技術では、太平洋を渡るのは不可能である」というのである。
まぁ、そう言われるとたしかに、彼らの使っていたイカダに毛が生えたような代物では、長期航海という面では不安が残る。当時のポリネシア研究の権威であるピーター・バックや、ケネス・エモリー博士などもそう考えていたんだ。

 で、面白いのは、その理由というのが、彼らの船が『バルサ材』で出来ていたということなんだ。スペイン語で「イカダ」という意味があるように、南米の先住民族たちはこの軽い材木を使ってイカダを造っていたのである。で、このバルサ材というのは、「2~3週間も水に浮かべてると、だんだん水を吸って重くなり、沈んでしまう」と考えられていた。で、この「水を吸って沈む」という説なんだけど、なぜかこの時代の論文には必ず出てくる考え方だったりする。研究者の間では常識だったのだ。

 ところがだ。この説の元をたどっていくと、どうも出所があやふやだという話になってきた。
「なんか100年くらい前のイギリスの探検家が、『バルサ材のイカダって、水吸うと沈むらしい』って話を、誰かから聞いたって乗った船の船長が言っていたみたいなことを、日記に書き残しているらしい」
いやはや、なんともアヤシゲなものだったりする。
33歳のヘイエルダールは、「これに賭けてみよう」と決意したのだった!!

 1947年4月28日。ペルーのカヤオという港町を、ヘイエルダールと6人の仲間たちが、手製のイカダに乗って出港した。バルサ材で造られた船の名前は「コンチキ号」。目的地は、ポリネシアのツアモツ諸島である。
 8月7日、約3ヶ月かかって8000kmの航海を終えた「コンチキ号」は、ツアモツ諸島に到着した。水を吸ったバルサが沈むというのは、迷信にすぎなかったのだ!

 この、ヘイエルダールの実験航海により、古代の造船技術でも太平洋の長距離航海が可能であることが、証明されたのである。とはいえ、これで「ポリネシア人=南米からの移住者説」が実証されたわけではない。それから約20年後、デービット・ルイス博士の探検航海へと舞台は移ることになるのだ。

≪続く≫

~補足~

 ヘイエルダール先生は、その後もいろいろな探検航海を行う。1969年、1977年の2回にわたって、パピルスで造った古代船で大西洋を横断したりもしちゃうのだ。その航海の模様も、そのうち時間が取り上げてみたいと思っています。

 ↓ 駐日ノルウェー王国大使館の公式サイト 
http://www.norway.or.jp/history/expolorers/heyerdahl/heyerdahl.htm
(太平洋航海に使った「コンチキ号」、大西洋航海の際の「ラーⅡ号」の写真がみれます)
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Comment

2007.08.22 Wed 08:55  |  

先生、いつか彼らのようにアウトリガーカヌーで太平洋を航海できる日は来るのでしょうか…

タレッテとかバルシャより過酷そうですけど、気楽そうですw

  • #-
  • アウ@住人
  • URL

2007.08.22 Wed 13:03  |  

∑@@; 

まさかここでヘッダーにデビューしちゃうとは思わなかったYO!

でもあれよね、コンチキ号って名前からして独特の雰囲気もってる存在だよね。

それはそうと現代人がカヌーで遠洋を渡ろうとすると、一番障害になるのは技術的な問題や体力的な問題じゃなくて、精神的におかしくなっちゃうことみたい。知り合いで実際に2000kmだか航行したひとがいるけど、じゅうぶんな実績もある同行者が洋上で自殺未遂してたってさ。

2007.08.24 Fri 15:56  |  

アウさん>
カヌーもいいけど、個人的にはゴンドラを実装していただきたい!  いいの、2人のりとかでも!
アンコナとトリエステの渡し船とかww

ぐったん>
この前、そちらのブログを見てて噴いたので、仕返しにヘッダに入れてみましたw

カヌーで2000km走破した方は、前にグッたんに教えてもらったよね。やっぱり、人間は社会的な生き物だから隔離されちゃうとおかしくなっちゃうんだろうか。それとも、海の魔力かね。海って夜とか見てると引きずり込まれそうで怖いよねw
ちなみにわたしは、子供の時から海を見て育っていたので、大学時代に海のない街に行ったときは最初落ち着きませんでしたよ。

ちなみに「コンチキ」というのは、インカだかの神様の名前だそうです。そして、日本語で口惜しいときなどにいう「コンチキショー!!」という言葉は、元々は英語の「Kon-Tiki-show」が訛ったモノなんだそうな。なんか、地球の反対側の言葉が遠く日本にまで伝わっているということ、これってホントに奇跡的なことだし、凄いことですよね!!








…ええ、もちろん大嘘ですよw

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