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遺跡は誰のもの (後編)

レベルアップ

あと、4つ!!

 敬愛するらくだ姐さんケリ子さんがネトラジをはじめました! その名も「ラジオ版らくだ姐さんの人生からログアウト!」。
生放送ではなく録音による放送になっているので、お時間のあるときにぜひ!頻尿の方にも優しい番組となっております

 ということで前回から放置状態になっていた宿題を片付けることにいたしましょう。今見たら、1ヶ月あいてるし!!!
(筆者も忘れかけていた前回はこちらから
 最近の新聞記事のなかにこのようなものがありました。

 ドイツはケルンにある大聖堂が世界遺産の登録抹消の危機にあるというもの。理由は、都市の開発に伴い景観を損なう高層ビル建設が予定されていたため、遺産の保全がなされていないというものでした。
(追記:ケルン大聖堂は、7/10に行われた世界遺産委員会の会合で、監視ポストである「危機遺産」の登録が解除さました。これにより、登録抹消の危機は解除されました。これは、再開発計画に規制を加えるなどの努力が認められた物です。)
という、タイムリーな話題でございます。
 さてさて、世界遺産に登録されたからといって、そこで活動が終わりになるわけではありません。保護を続けるためには大きく分けて、次の二つの活動が必要になります。

  1)保全・管理及び調査・研究
  2)普及啓発活動

 「考古学」などという言葉を聞きますと、一般に私たちがイメージするのは『遺構発掘』の場面ではないでしょうか。よくTVなどでも、遺跡などを掘り出している映像を見かけることがありますよね。こうした発掘プロジェクトには多額の費用と、多くの人手が必要とされています。しかし、それよりも多くの費用などがかかるのが、その掘り起こしたものを保全し、調査・研究を行っていく事なのです。そして、これらの活動は一時的なものではなく、継続していくことにこそ意味があります。

例えば、遺構から掘り出した発掘品は系統立てて分類し、保管しておく必要があります。遺構が建築物であれば、その材質が木材であれ石であれ、定期的なメンテナンスが必要となります。絵画を保管するのに必要なのは、適度な湿度と温度管理であり、これが守られなかったために台無しになってしまった”名画”は少なくありません。

 もう一つの命題、「普及啓発活動」も忘れてはならない分野です。それら「世界遺産」の存在そのもの、また価値や大切さを伝えていかなければ、それらのものを大切にしようという気持ちは起こるでしょうか? 今までと同じように、時代の流れに埋もれてしまい失われてしまうのは自明のことでしょう。

 こうした活動に備えるため多くの世界遺産登録地点では、いわゆる「ビジターセンター」というものを設けています。これらの施設は研究者達が主にホームとして利用するための『研究・管理施設』や、来場者達への普及啓発活動のための『展示施設』などからなっており、教育・研究活動の重要な拠点として機能しています。
(近年では、観光客が大勢来ることを見越して「観光施設」のようなものを設けるセンターも増えてきたようです。そのため、「そんな立派な施設なんてひつようないんじゃない?」とか「お金払ってまで見たくない」なんて意見もありますが、あくまであのお金は『入場料』ではなく、それらの『研究活動を援助するためのお金』であることを知っていただきたいなと思います。)
 ということで、今度はその『お金』のはなしについて。

 私事で恐縮なのですが。ルクレッツァ・ロッソの中の人は仕事がら、いわゆる海外の研究者という方達とお話しやガイドをする機会がたまにあります。
 で、たまに訊かれる事の一つに「日本の博物館とか美術館(京都とかの何々寺とかといった観光名所も入ってると思います)って、なんで入館料高いの?」というのがあります。(ちなみにもう一つ訊かれるのは「なんで、列車の代金の他に"特急代金"って払わなきゃいかんのだ」というのもありますが…ハハハ。知るか、んなもん)
そう言われて考えてみたのですが、欧米の有名どころの美術館(博物館)は無料、もしくは安い入館料のところが多かったような気がします。数年前のはなしなので、記憶があやふやですが…大英博物館は無料、米国のスミソニアン博物館群も原則無料だった気がします。有名どころで払ったのはルーブル美術館(仏)くらいかな…たぶん。

 『無料』とききますと、日本人の感覚では「お、タダなのか。それはお金を払わなくて得だなぁ」と思うのではないでしょうかねぇ。ところがこの『無料』というのは、そう言う意味ではないのです。

 たしかスミソニアンに行ったときのことだったと思いますが、その入り口にはこのような看板がありました。「これらの文化・教育活動を支援・ご協力いただける方は、少額でも良いので寄付をお願いいたします(意訳)」

日本人の社会ではあまり寄付という習慣がないので、逆に「一体どのくらい払えばいいのか不安だ」なんて思いがちですが、欧米では慈善とか寄付という機会が多々あります。例えば、クリスマスには慈善の寄付を行ったりというのがよくありますしね。
ちょっと横道にそれますが、数年前にスマトラ島沖で地震・津波の被害があった際に、アメリカの大統領が自分のお金から寄付をしたというニュースが報道されたことがありました。翻って日本では、時の総理大臣が多額の援助を国庫から出すことを発表したというニュースは聞いても、政治家の誰それが寄付を行ったという報道は記憶に残っていません。こんな所からも、寄付に関する意識の違いが顕著になるかなと思います。社会背景の違いと一言で片付ければ、身も蓋もありませんが。

 よく「日本は文化大国である!」という言葉が聞かれます。しかし、美術品の保護に関する法整備の遅れ(盗難品などの取引に関する法律の不備など)など今後も多くの課題を残しているのも忘れてはなりません。近年では、心ない観光客によって貴重な文化財が破壊されたり、建造物が損傷させられるという事例も多々報告されています。
「文化」という言葉が、単にモノや歴史のみを表すのではなく、人間の営みそのものを表す以上、今こそ個々人の意識の変革が求められるときに来ているのかも知れませんね。


 最後は難しい話になってしまい、また長文失礼いたしました。
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Comment

2006.07.21 Fri 12:03  |  

UNIDROIT条約に批准している国の少なさが、この手の話はすべて物語っていますね。表面上は文化遺産を後世に残すといってはいても、「俺のものはオレのモノ」と考えている国や収集家、圧力団体の以下に多いことか。。。
自然保護に関しては京都議定書などで、かなり足並みそろっている(もちろんこれも問題は山積み)ようですが、こと「所有物」に関しては自然保護に比べて100年遅れてますね。

  • #mQop/nM.
  • 鉄刀木@会社
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2006.07.21 Fri 13:05  |  鉄刀木さん>

鉄刀木さんのおっしゃるとおり!
ただ、モノを残せばいいというモノではなくて、その価値や文化そのものを継承していかなければならないのだと思います。

よく日本の美術界で聞かれる言葉として「目垢がつく」というのがあります。これ、なにかというと「あんまり公開すると、稀少価値が下がって売るときに値段がさがっちまうぞ」という意味。だから、撮影や公開を断るというモノ。もうねアホかと逝ってイイヨキミは。
また、自分のモノだから何をしてもイイという人もいたり。そういう輩はさっさとこの次元から退場していただきたく。
あくまで、その時代においての保守管理を託されているだけであって、その作品を数百年にわたって守ってきた人の思いや労力を無にするような行動をとる輩は、地位の如何に関わらず「成金」であり「エコノミックアニマル」にすぎないと思うわけですよ。
あんまし、言うと血管ぶち切れちゃいそうなのでこの辺りにしとキマスw

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2006.07.22 Sat 12:11  |  管理人のみ閲覧できます

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